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自動車整備工場に跡継ぎがいないのを解決した事業承継型M&Aの事例



「自動車整備工場に跡継ぎがいない?」

今回の記事では、自動車整備工場に跡継ぎがいないという問題について、M&Aネクストでお手伝いした事例を踏まえながらお伝えいたします。

 

なぜ自動車整備工場に跡継ぎがいないの?

なぜ、自動車整備工場に跡継ぎがいないのでしょうか?

これは、特に自動車整備工場に限った問題ではありません。

「跡継ぎがいない」とお悩みの経営者は、業種に関わらず多くいらっしゃいます。

 

中小企業庁の発表では、2025年までに70歳を迎える経営者は245万者いて、その約半数の127万者が跡継ぎがいないために悩んでいるとされていますが、皆さんはご存知でしょうか?

※法人および個人事業主をカウントしているため(127万)者と表記しています。

 

つまり、跡継ぎ問題は自動車整備工場に限らず、日本中で起きている問題といえます。

 

その中でも、自動車整備工場を取り巻く環境は深刻です。

「車離れ」「人口減少」「整備士資格者の減少」などの影響があり、自動車整備工場で跡継ぎがいないとお悩みの経営者が増えています。

 

また跡継ぎがいない理由にも様々なパターンがあるのですが、代表的な理由を紹介いたします。

 

【跡継ぎがいない主な理由】

・子どもがいない

・子どもが都会で一般企業に就職している

・子どもが公務員や医者として活躍している

・子どもはいるが経営者には向いていない

・子どもに同じ苦労をしてほしくない

 

それでは、一つずつ見ていきましょう。

 

子どもがいない

最もシンプルな理由が、経営者夫婦に子どもがいないという理由です。

まだまだ日本には子どもが跡継ぎになる家族経営的な考え方が強いため、経営者夫婦に子どもがいない場合は、即、跡継ぎ問題が浮き彫りになります。

子どもが都会で一般企業に就職している

子どもが東京などの都会で企業に就職している場合も跡継ぎ問題が発生する可能性が高まります。

一般企業である程度の役職を務めていたり、実家とは離れた場所で結婚して家族もいる場合、地元に戻って家業を継ぐというのはなかなか難しいものです。

 

子どもが公務員や医者として活躍している

子どもが地元に残っていたとしても、教師などの公務員や、医者などの専門職についている場合、その仕事を離れて実家の自動車整備工場の跡継ぎになる可能性は非常に低いです。

親が経営者である場合、一般家庭と比べて金銭的に余裕があり、十分な教育を受けていることも多いため、子どもの学歴が高い傾向があります。

その場合、公務員試験を受けて公務員になったり、中には医者や弁護士などの専門職に就く方も多く、親が経営する自動車整備工場を継ぐという選択肢が無くなることとなります。

 

子どもはいるが経営者には向いていない

より優秀な経営者であればこその悩みですが、自分の子どもが経営者には向いていないから跡継ぎ問題で悩んでいるという経営者も多くいます。

子どもが社内で一緒に働いている場合、多くの従業員は後継ぎがいるから安泰と考えているかもしれないのですが、経営者の目線は異なる場合もあるのです。

子どものことをよく知っている親だからこそ、自分が育ててきた大切な会社や、一緒にがんばってくれた従業員のことを任せられる人材ではないと判断される経営者もいます。

 

子どもに同じ苦労をしてほしくない

これは、自動車整備工場で経理や総務を務める母親に多い考え方です。

夫婦二人三脚で会社を育ててきた場合、業績がよいときばかりではありません。

自動車整備工場であれば、設備投資や、お客様から依頼された自動車の仕入れなどで、銀行などから多額の借入をしなければならないこともあるのです。

経理を務めてきた母親であれば、支払いや返済の金策で困ったこともあり、子どもに同じ苦労をしてほしくないと思うのは親心であると言えるでしょう。

 

このような理由があるからこそ、日本全国の自動車整備工場が、跡継ぎがいないと困っているというわけです。

 

自動車整備工場に跡継ぎがいないとどうなる

では、跡継ぎがいない自動車整備工場はどうなってしまうのでしょうか?

 

もしも跡継ぎがいない場合、廃業を選択することになります。

自動車整備工場が廃業を選択する場合、借入金の残債を支払うことができればよいのですが、支払いができない場合は倒産を選択しなければなりません。

多くの経営者は、会社の借入金の連帯保証人になっているため、会社の倒産は経営者の破産につながる可能性もあるのです。

 

また、会社を廃業する場合、従業員や取引先、お客様のことも考えなければなりません。

 

若い従業員であれば次の就職先があるかもしれませんが、会社のために長年がんばってくれた経営者と同世代の高齢の従業員はどうなるのでしょうか。

恐らく、なかなか次の就職先を見つけるのは難しいでしょう。

仮に転職できたとしても、給料等の条件は大幅に下がってしまう可能性があります。

 

同様に、長年の取引があった取引先やお客様にとっても、地域密着型の自動車整備工場がなくなってしまうのは非常に重要な問題です。

 

そして、自動車整備工場が廃業を選択した場合であっても、廃業するにはまとまった費用が必要となることがほとんどです。

設備の処分費用や施設の原状回復費用、従業員の退職金などが発生するため、廃業にも数百万円必要となることがあります。

 

自動車整備工場の跡継ぎ問題を事業承継型M&Aで解決させた事例

ここからは、跡継ぎがいない自動車整備工場を事業承継型M&Aで解決させた、M&Aネクストでお手伝いした事例を紹介いたします。

ホームページにも記載している情報なので、以下のページをご参照ください。

「人口2,000人の村にM&Aがやってきた」

 

自動車整備工場「Fオート」のF社長は、60歳を間近にして跡継ぎがいないことを何年も前から悩んでいました。

F社長には子どもがいなかったため、親族に事業承継することはできず、当初は従業員に跡継ぎになってもらうことを考えていたのです。

しかしながら、候補の従業員が退職することになってしまい、跡継ぎがいない自動車整備工場の経営者に戻ってしまいました。

 

そんな折に、会合の懇親会で、Y自動車のY社長と話していた時にF社長がポロッと口にした一言が今回のキッカケです。

 

「誰かうちの会社を高くかってくれんかな!」

 

この時点ではお互いにお酒も入っており、Y社長は冗談かな?としか思っていなかったそうです。

その後、他のタイミングでも同じような話をすることがあり、本格的にM&Aを検討することになりました。

 

この自動車整備工場のケースでは、お互いに相手が決まっている状態で、M&Aネクストが譲渡金額の算出や、M&Aの流れ、譲渡後の従業員やF社長のことなどの条件設定のお手伝いをさせていただいたのですが、人口が少ないエリアだったため、地元での話し合いは避けて、車で1時間程度離れている場所で会議室を借りて打ち合わせを実施したことを覚えています。

 

この案件では、売り手も買い手も自動車整備工場で、お互いの会社のことや従業員のことをよく知っていたため、スムーズに案件が進み、約4か月間で譲渡する運びとなりました。

 

自動車整備工場で跡継ぎがいない時は。。。

自動車整備工場に跡継ぎがいない場合、事業承継型のM&Aは有効な手段の一つであると言えます。

会社を存続できるのであれば、従業員や取引先やお客様にも迷惑をかけずにすむのです。

 

また、廃業には費用負担があるのに対して、M&Aで他の方にお譲りすれば、譲渡金額としてまとまった資金を受け取ることもできます。

さらに、会社に借入金がある場合でも、その連帯保証を解除してもらうことができるので、経営者にとってのメリットも大きいはずです。

 

M&Aネクストには、上場企業や地域の優良企業である買い手候補から、自動車整備工場で跡継ぎがいない会社を譲り受けたいというご相談を多くいただいております。

全国の自動車整備工場の跡継ぎ問題解決のお手伝いが可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

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鷹野 将和(株式会社八事財産コンサルティング 執行役員)

「グレートM&Aを増やす!」をミッションに、事業承継M&Aのアドバイザリー業務に従事。 「M&Aユーチューバー/タカノ」として、YouTubeを活用してM&A情報を提供している。

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